[246](投稿)福島第一原発処理水、政府は海洋放出の意向

f:id:new-corona-kiki:20201111133039j:plain
福島第1処理水の保管タンク 

福島第1処理水の保管タンク  22年夏ごろ容量限界  (ニュース虫メガネ)

東京電力福島第1原発で増え続けている処理水について、政府が近く海洋放出の処分方針を決めるとみられています。
Q 処理水とは。
A 第1原発では1~3号機建屋に残る溶融核燃料(デブリ)を冷やすための注水や、流れ込む地下水が原因で、今も1日当たり約140トンの汚染水が発生し続けています。高濃度の放射性物質が含まれており、それらを多核種除去設備(ALPS)などで浄化処理したのが処理水です。物質の中でもトリチウムだけは除去できません。
Q トリチウムとは。
A 三重水素とも呼ばれる放射性物質で、雨水や海水にも含まれます。放射能のエネルギーは弱く、紙1枚でも遮(さえぎ)れるとされます。通常の原発を動かす際に使う冷却水にも含まれ、各地で薄めて海に流しています。
Q ALPSでは取り除けないのですか。
A 特殊なフィルターで62種類の放射性物質を取る能力があるALPSですが、トリチウムは水素に似ているため水に混じると分離が難しいとされています。東電が公表した海洋放出法の案では、海水で薄めて濃度を国の基準値以下にした上で海に流す計画です。
Q 処分が必要な理由は。
A  処理水の量は現在、120万トン超に上り、処理前の汚染水を含め第1原発敷地内で千基を超えるタンクに保管されています。東電は2022年夏ごろに保管容量が限界になると試算しているほか、保管を続けると廃炉作業に必要なスペースが確保できず今後の計画に支障が出ると懸念されています。
Q なぜ海洋放出なのですか。
A 処理水を巡る議論は13年から始まりました。トリチウムの特性や複数の処分方法が整理、検討され、政府小委員会が今年2月にまとめた報告書は、国内外で実績ある海や大気への放出が現実的だと結論付けました。中でも放射線監視などの技術面で海洋放出の利点を強調しました。
Q 賛否は。
A 第1原発の立地自治体の首長は、住民帰還や廃炉の完遂のために処理水の処分が必要だと訴えています。一方、海洋放出には漁業関係者を中心に反対の声が根強くあります。原発事故の風評被害水産物などが値崩れしたり、海外への輸出ができなくなってしまったりしているのに、放出でさらなる風評被害が出るのを懸念しています。 
北海道新聞2020・11・7より引用しました。

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント
 福島の原発事故以前、「原子力発電所は、海水中に多種類の放射能性物質を含んだ汚染水を垂れ流している」と言うと、「そんなことはないだろう」と知人が言ったことを思い出しました。チェルノブイリ原発事故後の時代でした。その後、ある年配の小さな会社を経営していた方が、「原発から温排水が出ているなら、エビでも養殖して『原発エビ』という名前で売れば、儲かるかもしれないぞ」と、さも「豊かな発想」でもしたかのような自慢げな表情をして、「放言」したことも忘れられません。
 現状でも福島第1原発からは地下水と汚染水は海に流れ出ています。凍らせて堰(せ)き止めるだのなんだのかんだのと「東電」や「学者」は言っていましたが、世界中の原発から生まれ出てくる放射性物質と汚染水に対して、打つ手は未だ皆無です。それくらい、放射性物質は人の手に余る「原発の怪物」です。そのためALPSで汚染水から取り覗けるとされる62種類放射能物質も、蓄積されて山積みになっていきます。決して消えてなくなりません。 
 半減期が短い放射能物質なら、早くに限りなくゼロに近くなるものもありますが、プルトニウム半減期は2万4千年です。このプルトニウムが限りなくゼロに近くなるのはいつでしょう?最近の報道で、「10万年」という言葉が飛び交っていますが、プルトニウムは10万年でもまだまだ『現役』です。100万年は要すると小出裕章氏は発言しています。100万年前、今の現人類は生まれていませんでした。
 核大国が原爆や水爆実験を太平洋でした後、今も、海水中をぐるぐると放射性物質群は回っているという放送を見聞したことがあります。
 人間は、今のところ『食物連鎖』の頂点にいると言われています。動植物を、水分を、私たちは摂取して生きています。海水からとれる魚や貝や藻類…動物からとれる肉類や乳製品等にも雨水に含まれる放射能物質や、雪解け水に含まれる放射能物質、河川に集まる放射能物質を、日々、知らず知らずのうちに、誰もが摂取していることになります。
 これで、癌にならない方がおかしなくらいだと思いませんか?確かにウイルスが引き起こす癌もあります。たばこが原因と言われる癌もあります。でも、まぎれもなく、多量に摂取しているのは(放射性物質を含んだ)食べ物・水分等だと思います。
 海外からも、海洋放出に反対と言われているのには、放射能を垂れ流すと、漁業に影響を受けると恐れているからです。
 米国でも新しい原発は作っていません。その要因はまた別です。原発を製造するコストと解体するコストが他のエネルギーの生産コストに比べると「間尺に合わない」からです。
 二酸化炭素を削減することを日本政府はパリ協定に沿うように目指していますが、そのために、原発を再稼働させたりすることでなすべきではないと思います。現存する私たちが見ることはない、話を交わすことがない世代にも、生きられる海と川と土と山を残していかなくてはなりません。
 どのようにすれば、それが達成することができ
るかを共に考えていこうではありませんか!!