[407](投稿)原発の「事前了解権」

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原発5~30キロ圏「事前了解権を」 柏崎周辺8市町議が協定目指す
02/09 14:14 更新

 東京電力福島第1原発事故から来月で10年。各地で原発の再稼働が議論される中、新潟県の東電柏崎刈羽原発周辺の動きが注目されている。同原発の5~30キロ圏(UPZ)の8市町議会議員有志が昨年8月に超党派の研究会を立ち上げ、再稼働に関する「事前了解権」を盛り込んだ安全協定の締結を目指している。再稼働への賛否を超え、住民の安全を確保することに主眼を置く。立地自治体よりも人口が多く再稼働に慎重な住民も多いUPZ。動きは各地に広がるか―。

 「私たちは住民の安心安全を守りたいという一点だけだ」。1月28日、柏崎市桜井雅浩市長を訪ねた研究会代表の関三郎・見附(みつけ)市議(71)=自民党見附支部幹事長=は強調した。

 これに先立ち、研究会は、東電が再稼働に当たってUPZの自治体にも「丁寧に説明」し「事前了解を得る」と明記した安全協定の素案を公表した。本年度中に協定案をまとめ、各首長に参加を働きかける考えだ。住民の意向調査や説明会も行う。

 研究会が事前了解権にこだわるのは訳がある。国は福島第1原発事故後、避難計画の策定を義務付ける自治体を原発の30キロ圏に拡大したにもかかわらず、事前了解権のある協定は立地市町村と道県に限られるケースが多い。柏崎刈羽原発の場合、柏崎市刈羽村新潟県が東電と結んでいるが、UPZ自治体は蚊帳の外に置かれたままだ。

 研究会が参考にしたのは茨城県内の取り組みだ。日本原電東海第2原発の再稼働に関し、立地する東海村長の呼びかけで30キロ圏内6市村が原電と「実質的に事前了解を得る」との文言の入った協定を結んだ。だが、これは例外的なケースで、他の立地自治体の首長にそうした動きはない。研究会事務局長の関貴志・長岡市議(54)は「再稼働を進める国と慎重な住民の間でUPZの首長は板挟みになっている。住民に近い私たち議員こそが動くべきだと考えた」と訴える。

 柏崎刈羽原発の30キロ圏内には、柏崎市のほか長岡市見附市など9市町村=地図(上)参照=がある。大半が5キロ圏内に入る刈羽村を除く8市町の現職議員176人の25%に当たる44人が研究会に参加する。新潟県によると柏崎刈羽原発30キロ圏の人口は約44万2千人。うち95%がUPZで暮らす。関事務局長は「UPZの民意が置き去りにされている状況は他の原発も同じ。全国的に連携したい」と話す。(編集委員 関口裕士)

■UPZ研・関代表 賛否超え住民守る

 UPZの議員研究会の目的や意義を関三郎代表に聞いた。

 私自身、原発に賛成でも反対でもない。柏崎刈羽原発のUPZにある自治体議員として、住民の安心安全を守るためには事前了解権が必要だという一点に絞って研究会を立ち上げた。

 住民に最も近い政治家は私たち市町村議員だ。首長は政党や支持団体、県や国への配慮が入るが、議員は住民の側に立てる。

 現行の(立地自治体と道県が電力会社と結ぶ)安全協定は紳士協定で、あうんの呼吸みたいなところがある。範囲を拡大したうえできちんと明文化するべきだ。5キロ圏内の住民が避難してからUPZの住民が避難する現行のルールも現実的でない。事故が起きれば距離に関係なく、みんな同時に逃げるだろう。避難のルールも見直す必要がある。

 チェルノブイリ原発事故後も日本では大丈夫だと原発を動かしてきた。しかし福島で東電は事故を起こした。使用済み核燃料の中間貯蔵や最終処分も壁にぶち当たっている。今後、原発をどうするか。住民の声をしっかり聞いて決めないといけない。そのために、住民に一番近い市町村議員の果たすべき役割は大きい。

<ことば>UPZ(避難準備区域) 福島原発事故後に国が見直した原子力災害対策指針で原発からおおむね半径5~30キロ圏と定められ、事故の状況に応じて屋内退避や避難などをする区域。自治体は避難計画の策定が義務付けられる。さらに原発に近い5キロ圏内はPAZ(即時避難区域)と呼ばれ、重大事故時は直ちに避難する。道によると、北海道電力泊原発のUPZとPAZを合わせた区域は13町村=地図(下)参照=にまたがり、昨年4月時点の人口は約7万4千人。建設中の電源開発大間原発青森県大間町)のUPZには函館市の一部が含まれる。

(2021・2・9 北海道新聞デジタル版より引用)



※※※ 骨川筋衛門のコメント

 原発が立地しているところの周辺5~30キロ圏で、避難準備区域をUPZと呼びますが、新潟県の東電柏崎刈羽原発周辺では、再稼働に関する「事前了解権」を盛り込んだ安全協定の締結を目指しています。これは再稼働の賛否を超え、住民の安全確保に主眼を置くとなっています。

 しかし、東電の刈羽原発の再稼働こそ止めて、原発そのものを無くしていくのが、安全への本筋だと思います。

 もし、福島第一原発事故の二の舞が起こってしまえば、立地地区周辺だけでなく、もっともっと、広範囲に放射能が飛散し、福島の原発事故後の周辺だけではなく、さらに遠い地域の住民の方たちの暮らしも放射能汚染のために成り立たなくなると思うからです。

 例えば、福島原発周辺のキノコが放射能汚染で食べられなくなると同時に、もっと遠い長野県周辺のキノコも放射能汚染されている事例から考えてみてください。

 山も、川も、土壌も、目には見えない放射能汚染が広がっています。山の土壌や山林に降り積もった放射能物質は雨に洗われ、地面を流れ、その汚染された水が川に集まり、また流れ、最終的に海へと流れていきます。海も汚染されるのです。

 国は福島原発の汚染水のタンクの水を海洋投棄する計画を持っています。地元の人たちは反対していますが、国は強行するかもしれません。海洋で一時は汚染水は薄まりますが、放射能物質は海産物に集積し、その後、人が食べれば人の中で放射性物質は蓄積されていきます。その放射線が人に害を与え、時に癌を発生させる可能性があります。

 刈羽原発も再稼働せずに、解体していく方向へと舵を切らねばなりません。この国のほとんどの原発は、稼働40年という期限を迎えてきています。老朽化で壊れる可能性も高まっています。

 原発が事故を起こす可能性は、原発が存在する限り無くなりません。原発を無くして、避難する必要がないようにすべきだと思います。「今年のような冬の大量の積雪」の中をどのように避難すればいいのでしょうか?

 どこか安全な、放射能のない場所があるでしょうか?放射能のほうが風に乗って早く拡散しませんか?

 原子力発電所の再稼働を止めることこそが第一に考えるべきことだと、再度、強調したいと思います。地震津波などの災害列島日本での原発の稼働そのものに反対したいと思います。

 読者の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか?

 
ブログ管理人のコメント;
骨川さんの原稿が書かれて4日後にM7.3の福島沖地震が発生しました。メディアはいまだに原発への影響やその危険性を強く報道しません。
不思議だと思っています。当ブログ[406]を読んでくたさい。