[615]アフガニスタン侵略の破綻、米軍撤退

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 米軍が撤退を開始するのとほぼ同時にアフガニスタンのガニ政権が逃げだし、首都カブールは陥落しました。タリバンが主導する反政府軍はあっという間に全土を制圧したのです。
 米軍に支えられた国家権力崩壊のリアルはベトナムサイゴン陥落を彷彿とさせました。逃げ出す米軍ヘリと、輸送機に乗れず機体にしがみつく現地の米軍協力者の姿、梯子を外され、タリバンが「報復」するのではないかと怯える現地の人の姿はあわれですらあります。アメリカは全員を国内に受け入れるべきです。
 9.11事件をきっかけとして「テロとの戦い」を叫びアフガニスタン民衆の生命を奪い生活を破壊して20年、アメリカは駐留のメリットがなくなりカネの無駄遣いだからもうやめようと、撤兵しはじめたのです。アメリカ式民主主義をアフガニスタンの地に根づかせることなどできるはずもなかったのです。
 すでにバイデンは7月26日のイラク首相との会談で年末にイラクでの戦闘任務を終了することを表明しました。そしてアフガニスタンからの米軍撤退とガニ政権の崩壊。この事態はアメリカの中東支配が終ったことを内外に告知するものとなりました。
 いまメディアはタリバン政権の報復や人権侵害について憂慮すると報じています。17日の朝日新聞天声人語」は「全土を掌握したタリバーンが自らの意に沿わない人に対し、むごい仕打ちをするのではないかと懸念されている。国際社会にできることは何か。」と結んでいます。
 侵略した米軍が敗走している今、喧嘩両成敗のようなことをメディアはいうべきではないと思います。アメリカはアフガニスタン侵略行為の破綻を撤兵によって示したのですから国際社会に期待するまえに、二度とアメリカの侵略を許してはならないと闡明すべきではないでしょうか。
 一体どれだけの労働者民衆がアメリカとその傀儡政権の犠牲になったのでしょうか!