[892]岸田政権が原発政策を転換か


 政府は、ロシアに対する経済制裁の結果生じたエネルギー危機を契機として原発重視へと転換しはじめました。
 5月17日に開かれた自民党総合エネルギー戦略調査会は、原子力について「エネルギー安全保障、脱炭素の効果の高い電源を最大限活用する必要がある」という提言案をクリーンエネルギー戦略にもりこみました。これは岸田首相自身の指示です。
 すでに経済産業省が13日にまとめたクリーンエネルギー戦略の中間整理では、原子力の「最大限の活用」が明記されました。
 このままだと6月上旬に「最大限の活用」は「新しい資本主義」の実行計画にもりこまれてしまいます。昨年10月に閣議決定されたエネルギー基本計画は、「可能な限り依存度を低減」という従来の方針を踏襲していましたが、それを転換するということです。
 ウクライナ戦争でロシアからの石油、天然ガス輸入を止め制裁を課した結果、それらが値上がりし電気料金は過去最高となっています。政府は対ロシア政策のはね返りを、原発活用によって乗りきろうとしているのです。事故が起きたらどうするのか、何も考えていません。いやむしろ核開発を底意して核兵器の原料のプルトニウムをつくろうとしているのです。
 岸田は原発再稼働のために規制委員会に審査の「合理化、効率化」をはかれ、とはっぱをかけています。また、政権内に原発新増設容認の声が大きくなっています。
 福島第一原発に事故処理の目処がたっていない中でのことです。
 岸田政権は本性を露わにしました。