米中間選挙が始まります。
朝日新聞の特集記事は激戦となっているオハイオ州に焦点を当てています。ソ連邦崩壊後、資本のグローバル化の中でアメリカの製造業は衰退し、特に鉄鋼業で栄えたオハイオ州は「ラストベルト(錆びた工業地帯)」と呼ばれています。
中間選挙で上院選に立候補した民主党のライアンは中国を意識して次のように言います。
「仕事は中国やアジアに移ってしまった。取り戻さなければならない。」「問題の構図は『我々対中国』だ。中国は勝ち、労働者が負けている。反撃の時だ」
実際、1990年からグローバル化が進みリーマンショック後の2009年にかけてオハイオ州では製造業で50万人の失業者がでました。中国は資本のグローバル化の中で2010年にはGDP世界第2位となりました。
アメリカの政府•資本家階級は、資本の増殖をグローバル化に求めた結果、中国資本主義の台頭を招きました。
トランプ登場
国内製造業の衰退のなか、アメリカの中間層をなす製造業労働者は解雇され生活苦と不満が拡大したのです。そこで登場したのがアメリカファーストを叫ぶトランプ政権でした。対中強硬姿勢を押し出すトランプはもともと民主党支持だった白人労働者に支持を拡大し、大統領選に勝利しました。前回大統領選挙でバイデンに敗れても負けを認めず、選挙不正キャンペーンをくり広げなお支持基盤を保っています。
民主党と共和党の対立は深まり、アメリカの資本家階級の民主主義的統治形態の危機を招来しました。昨年のトランプ派による連邦議会襲撃事件はアメリカ社会の危機性をあらわにしました。
11月8日はいずれが勝利するかにかかわらず、対立を浮き彫りにすることになるでしょう。
中国の影がアメリカ社会の危機をさらに深めていることは間違いありません。