[1328]ウクライナ兵器支援の履行遅れ

 ウクライナへの軍事支援で、実際に武器が届いた割合を示す履行率で米欧の東西格差が生じています。戦車供与の履行率ではポーランドチェコなど冷戦時に東側ブロックにいた諸国が8割に達した一方、米国やドイツなどその他の米欧では合わせて2割台にとどまっています。

 ウクライナ軍は6月に東部南部で反転攻勢をはじめましたが、日経新聞によれば奪回したのはロシア軍支配地域の0・3%に過ぎません。

 ゼレンスキー自身が「望んでいるより遅い」と言っています。苦戦の一因は約束の武器支援の遅れです。各国の戦車提供の約束の757両のうちウクライナに届いたのは6割の471両です。(ドイツ キール世界経済研究所2022年1月~23年5月末までの調べ)

 提供トップはポーランドで約束の324両のうち264両(8割)、全体の4割になります。米欧は遅れています。ドイツはレオパルト2の提供約束は55両でしたが、届いたのは18両、アメリカ、オランダはそれぞれ約束は76両、89両でしたが実際には19両しか届いていません。他榴弾砲も遅れています。ドイツは37門の約束が14門で履行遅れが目立ちます。

 調査した研究所によれば、「約束された重火器の半分強しか引き渡されていない」といわれています。

 戦争が長期化しており先が見えなくなっているため、支援各国の武器が不足しはじめていることもあり、モチベーションが落ちてきていると思われます。

 プーチン政権は持久戦にもちこんでいて、ゼレンスキー政権は攻勢に行き詰まり戦意発揚に努めているようです。

 ロシア、ウクライナ両国の下からの反戦闘争によって一刻も早い停戦を❗️