[1329]トリチウム水海洋放出に関する立憲民主党の対応に読売新聞が「意見」

 

 7月21日の読売新聞オンラインは原発処理水の海洋放出をめぐって立憲民主党の対応について次のように言います。

立憲民主党「処理水」巡り迷走、一部左派が韓国野党に同調…対立懸念で厳格処分できず」 

 立憲民主党は党としてトリチウム水海洋放出には漁業関係者の理解を得られていないからという理由で反対していますが、残念ですが読売新聞に上のように言われても仕方ない面はあります。

 また、読売は長妻氏の20日の記者会見を引用して次のように言います。

「(長妻氏は)処理水放出について『風評被害を 払拭ふっしょく する努力が足りない』として反対する考えを示しました。処理水の安全性は『科学的には決着がついている』として認める一方、中国などが使用する『汚染水』という表現を使うなど、ちぐはぐな発言がみられた。」

 長妻氏は処理水の安全性については科学的に決着ついているといっているそうですが、そうだとしたら本当には反対できません。問題は風評の科学的根拠にかかわることで、内部被曝に関して政府の主張は誤っているのです。読売新聞は政府の「科学的」主張を鵜呑みにしています。

 さらに読売はつづけて言います。

「処理水放出を巡っては、立民の衆院議員5人を含む野党議員が12日、韓国の左派系最大野党『共に民主党』の議員らと共同声明を出し、このうち立民の阿部知子氏は、日本外国特派員協会での記者会見にも同席した。共同声明は、放出を『海洋環境の汚染につながることは必至』などとしている。国際原子力機関IAEA)が人や環境への影響は『無視できるレベル』とした調査報告書に照らしても、根拠のない内容だ。 阿部氏らの行動には、党内外から『自ら風評被害を招いている』との批判が上がるが、立民は当初、『党の立場として動いているものでない』(泉代表)と静観した。18日に岡田幹事長が阿部氏を『口頭注意』したと明らかにしたが、他の4人は処分されていない。 立民の対応の背景には、党内に『反原発』を主張する議員を多く抱えていることがある。風評被害対策を放出反対の理由に挙げているが、地元の理解が得られた場合の賛否については明らかにしていない。党幹部は阿部氏を『厳しく処分したり、条件付きでも放出容認の立場を明確にしたりすれば、党内対立に発展する恐れがある』と語る。」

 読売は、国際原子力機関IAEA)が人や環境への影響は『無視できるレベル』とした調査報告書を正しいとして意見を言っています。しかし、独自に調査考究した意見とはいえません。内部被曝については触れるのを避け、政府の主張を広報しているだけです。