[1356]出生率低下

 

 少子化が進んでいます。ヤフーニュースを引用します。

 今年1~6月の出生数、37万人 3.6%減、少子化止まらず

 生後3カ月の赤ちゃん 厚労省が29日公表した人口動態統計の速報値によると、23年上半期(1~6月)に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年同期比3.6%減の37万1052人だった。速報値には外国人なども含む。2年連続の40万人割れで、少子化に歯止めがかからない。この傾向が続けば、通年でも22年と同様に80万人を割り込み、過去最少を更新するペースだ。

 結婚しない人が増えたり、結婚年齢が高くなったりしたほか、コロナ感染拡大による出産控えなどが影響した可能性がある。 上半期を比べると、23年の出生数は00年以降で過去最少だった。22年上半期の出生数(38万4942人)は前年同期比5.0%減で、今回は減少率が縮小した。

 23年上半期の婚姻数は7.3%減の24万6332組。死亡数は2.6%増の79万7716人となり、出生数と差し引きした自然減は42万6664人だった。 22年通年の出生数は速報値で79万9728人と、統計開始以来初の80万人割れになっていた。速報値から外国人などを除いた「概数」は77万747人だった。

以上引用。

 ニュースでは少子化の原因については「結婚しない人が増えたり、結婚年齢が高くなったりしたほか、コロナ感染拡大による出産控えなどが影響した可能性がある」としていますが、なぜ結婚する人が減ってきたのかについては分析していません。

 個々の事情はあるのでしょうが、1990年代以降、就職もままならず、就職できても派遣労働など低賃金・非正規雇用で結婚し子どもを生み育てるだけの経済力がなくなったということが根底にあるのだと思います。

 格差が広がる社会で少子化は予測できた問題ですが、いまさらのように政府はその場しのぎの対応でバタバタしています。

 少子化は労働力不足を意味します。資本家とその政府は労働力が不足するとモノやサービス生産の担い手が足りなくなり、減産して剰余価値の総量が減るから困るわけです。資本家階級はその問題を乗りきっていくために労働の生産性を高めることを追求しています。

 端的に言ってそれが労働手段の技術革新=IT化です。例えば古い機械で10人の労働者が生産していた生産物と同じ量を、新しいコンピューター化された機械で1人で生産できるように労働過程を技術化することを追求するわけです。

 いま流行りの生成AI開発と生産過程への導入の本質的目的は労働生産性の向上にあります。AIはその機能は役に立ち便利なのでもてはやされていますが、本質的には資本制生産にとってより少ない労働でより多く生産することを可能にするために開発したものだといえるでしょう。

 いまもこれからも少子化が進み労働力が不足します。資本家はそれでも剰余価値をうみだすために生産手段の技術化を飽くことなく追求するでしょう。その過程で労働者階級は失業と過重労働を強いられる境遇におかれることになります。

 労働組合は労働者の生活を守り改善していかなければなりません。