[1553]昭和防人の歌

 13日の日経新聞「春秋」に『週刊朝日101年史』に収録されている戦中の連載「昭和防人の歌」が紹介されています。この「春秋」は読み応えがあります。

以下引用します。

 

 万葉集には、古代日本で故郷を離れ国土防衛のため動員される人々の詠んだ「防人(さきもり)歌」が多数収録されている。一例が「韓衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして」。母親が不在のまま、子どもだけを家に残して遠くへ旅立つ父親の悲哀が描かれている。

▼今月発売された「週刊朝日101年史」(朝日新聞出版)は、昨年休刊した同誌の一部記事を抜粋し解説つきでまとめた本だ。それによると、同誌に「昭和防人の歌」という連載があったそうだ。真珠湾攻撃から間もない1942年1月4日号に始まり45年8月12日ー19日合併号、つまり終戦の時まで、計173回にわたる。

▼作品は一般から募集した。「帰ることなき家と定めて見返るに藁屋根に繁る蓬ひとむら」「母一人子一人の中を召され来しその兵すらも死なせたりけり」「たまゆらの心みだれを恥ぢらひつ夫が戦死の公報受けぬ」······。どうしようもないまま、大きな渦の中で家族や故郷と引き裂かれていく普通の人々が、そこにいる。

▼誌面には勇ましい記事があふれていた。軍の検閲もあった。この欄は「ささやかなレジスタンス」だったようだ。日本にとっては歴史の中の話だが、世界には今も市井の人たちが戦場に駆り出されたり、勇ましい報道がメディアを埋めたりする国々がある。危険を承知で異論を唱える声はないか。きちんと耳をすませたい。

 

以上

 勇ましい報道をしてないか、日経新聞自身が紙面を身返し胸に手をあてよ。

 危険を承知で異論を唱える声はロシア、ウクライナイスラエル、中国、アメリカ······そして日本にもある。